日本競輪選手養成所(静岡県伊豆市)は、2019年11月の入所試験(適性二次試験)からワットバイクによる能力評価テストを採用しました。競輪選手になるためには、国家試験である競輪選手資格検定に合格する必要がありますが、そのためにはまず日本競輪選手養成所の入所試験に合格し、同所にて一定期間、教育・訓練を受けることが大前提になっています。
Wattbike社は2011年に日本で業務開始以来、競輪界との取り組みを特に重視してきました。今般、養成所の入所試験科目に採用されましたことを大変光栄に思うとともに、大きな責任を感じています。
この機会に、ワットバイクとともに競輪界での歩みを進めてきた、ガールズケイリンの林 真奈美選手(福岡・110期)からご寄稿頂きました。
「ワットバイクとの出会いから今日まで」 林 真奈美(ガールズケイリン選手)
私とWattbikeとの出会いは2014年の1月でした。
私は地元大分県日田高校で3年その後愛知県の実業団(株式会社デンソー)で9年の12年間ボート競技をしていました。
第一線を退くにあたり、一旦心身共に休養をするため退職し帰郷、アルバイト生活を送りながら地元でボート競技を趣味で続けていました。
ある時、ボート場で新しいトレーニングマシンを導入する為の説明会に恩師が誘って下さり、そこで初めてワットバイクと出会いました。
説明会の後、皆で6秒のピークパワーテストを行い、その時の数値を見てWattbike社の大木さんからガールズケイリン選手を目指してはどうかとお声かけ頂きました。
大木さんとはボート競技で顔見知りでした。
ボート時代のポテンシャルを評価して頂いて下さっていたこととテスト結果を受けて、競輪選手としての可能性をお話して下さいました。
選手を目指す決意をするには少し時間がかかりました。
ガールズケイリンそのものを全く知らなかった事と、当時の年齢(27歳)で新たなスポーツを極める事が出来るのかと言うことが主な原因でした。
ネット検索をしてガールズケイリンの情報を仕入れ、動画サイトで選手を取り上げたものを沢山見ました。
大木さんを通じて東京へ行き、現役の男子選手・ガールズ選手にお話を聞いたり、自転車をお借りしてバンク体験もさせて頂きました。
ガールズケイリンには、10代から私より年上の選手でトップて戦っている選手も沢山いて、また自転車経験者・他競技転向・スポーツ未経験と様々な出身の人が集まっている事も知りました。
生身で車ほどのスピードの中勝負するため様々な怪我のリスクも知りました。
様々な情報を仕入れ、後は私自身のモチベーション。
私がボート競技の区切りを付けた要因の一つに厳しい減量生活での心身の疲弊がありました。
その点、競輪選手はしっかり食事してトレーニング・レースに臨める
ここで競輪と出会ったのも何かの縁、年齢的にもモチベーション的にも最後のチャンス、ガールズケイリンと言うスポーツ・職業に思い切り挑戦してみようと決意しました。
決意してからは、直ぐに自宅でワットバイクトレーニングを始め、技能試験で受験するため久留米競輪場に挨拶に行きバンク練習も開始しました。
およそ半年のワットバイクとバンク練習の後、無事に試験に合格、競輪学校(現養成所)での生活を経て、今ガールズケイリン選手としての日々を送っています。
「競輪学校同期の鈴木奈央選手と」
アマチュア時期から選手となった今まで、ワットバイクは私にとって欠かせないトレーニングツールです。
ワットバイクはペダリングやワット数など他人から見て評価出来るのは勿論の事ですが、ワットバイクで日々トレーニングしていると、パーソナルな感覚の気づきにも繋がる所がとても評価できると考えています。
私はワットバイクでのトレーニングを初めて5年になりますが(競輪学校時期を除く)最近ではたとえば数値がいつもより出ない・同じメニューなのにきつい時、肉体が疲れているのか・風邪等の病気的なものであるか・メンタル的な影響があるのか、そういう部分が自分自身で感覚的に判断出来るようになったと感じます。
ワットバイクの活用法は人によって無限にあると思います。
自分自身に集中してトレーニングをする事を得意としている私にとっては、自宅で天候に関係なく好きな時にトレーニングを出来るワットバイクは精神的な安定をも与えてくれるツールとも言えるかもしれません。
勿論選手として、バンクなど実走練習でしか得られない・鍛えられない事もあるので、それぞれをトレーニングに取り入れ、相乗効果を得られる様日々試行錯誤しながらトレーニングを行い、その時間を楽しんでいます。
私が2014年にワットバイクと出会った頃には、競輪学校(現養成所)にワットバイクが数台入ったばかり、
2015年の競輪学校生の時も、ワットバイクはリハビリ用としてある認識で、冬になって数台増えて1度全員計測をしたといった感じでした。
しかし今では、候補生のトレーニングメニューにワットバイクが組み込まれ、更には「日本競輪選手養成所 適性二次試験」としてワットバイクによる能力測定が取り入れるまでになったとのこと。
ワットバイク無くして競輪選手になれなかった私としては大変嬉しく、誇らしく思っております。
選手になる切っ掛けとなってくれたワットバイクとの出会い、トレーニングツールとしてのワットバイクの存在にはとても感謝しています。
これからのガールズケイリン選手としての日々もワットバイクと共に、努力を惜しまず、変化や進化、時には失敗も楽しみ歩んでいきたいと思います。
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