スポーツ中、良いパフォーマンスを発揮するためには、競技に集中することと同時に水分補給に気をつけることが重要です。自転車のロードレースは競技時間が長いことからも水分の重要性は高く、スタート前に適量の水分を補給しておくこと、レース中には最低でも1時間にボトル1本(500ml程度)を飲むこと、などが言われています。
私自身も水分補給が苦手であり、過去には3時間のレースでボトル1本しか飲むことができなかったこともありました。その頃は周りの人にもっと飲まないといけないと言われても自分は少量の水でもやっていける体質だと言い張り、「水分」の重要性を認識していませんでした。
しかし、夏場のレースで脚が痙攣したことや、ロード練習の後半にボトルの水が無くなり意識がうつろとしたこと、長時間高強度の練習後は回復が遅く、体調を崩すことも少なくなかったことから、徐々に水分を重要視するようになりました。もちろん、これらの原因には他の要因もあるとは思いますが、「水分」もそのうちの一つだと実感しています。
さらに、今年の夏にベルギーで2ヶ月間の競技生活を送りましたが、そこでは耳が痛くなるほど水分補給をしっかりするようにと言われました。そのため、練習中やレース中だけでなく日常生活においても、「水分」を意識するようになりました。家でも車でも外出先でも、片手には水の入ったボトルを持つようになりました。こまめに水を身体に取り入れるようになったことでコンディションが良くなったという感覚があります。特に、練習後やレース後の疲労度が小さいと感じています。
ここまで、外での練習やレースについて書いてきましたが、Wattbikeを使った室内トレーニングでも水分補給をしっかり行ってもらいたいと思います。外は風がありますが、室内は無風のため汗の量も増えます。私は学生時代、真夏にはクーラーと扇風機を併用してトレーニングしていた記憶があります。それでも、汗かきな上に湿度の高い日本では尋常ではない量の汗が出ていました。
Wattbikeでトレーニングする場合、サイクリングではなく強度の高いメニューを行う方も多いと思います。そうなると特に、水分を補給するということに意識が向かなくなるかもしれません。しかし、トレーニング後の発汗量からも分かるように、十分な水分補給ができないと汗の量だけ身体のコンディションは低下していると考えられます。汗をたくさんかくと、「体重が減った!」とか、「こんなに頑張ったんだ!」とか感じるかもしれません。しかしそんなことはなく、反対に汗の量からこれだけ水分が失われたのだからきちんと体内に補給してあげないと、と思う必要があります。そしてトレーニングにおける水分補給ですが、終わった後に一気に飲むのではなく、トレーニング中に「こまめに」補給することが大切です。
これから日照時間が短くなったり、積雪や凍結で外を走れなかったりと、室内でのトレーニング時間が増えてくるのではないかと思います。そして、気候は涼しくなったり寒くなったりするため、ますます水分補給を見落としがちになることが考えられます。しかし、良いコンディションを保つためにも「水分」の重要性を頭に置いておいてもらえれば、と思います。
今回は「水分」と表現しましたが、練習内容によっては糖質と電解質を適量含んだ飲料を飲むことも必要です。このことも含め、自分の身体に必要な水分量を理解すること、自分の体質や好みに合ったドリンクを見つけることも大切ではないかと思います。
合田祐美子 公式ウエブサイト
CONTACT