自転車乗りの人は「膝」の痛みを抱える人が多く、私もよく出会います。幸いにも私は、これまで膝を故障したことがありませんでした。しかし今回、初めて自転車での乗車中に膝の痛みを覚え、ペダリングができない状態になりました。
私は膝痛になった直後、その原因をいくつか考えました。その日、病み上がりでもあり、身体は硬めで柔軟性に欠けている感覚がありました。ストレッチで可動域を広げるなど、軽くウォーミングアップを行いましたが、「これくらいでいいか」と妥協した部分があると思っています。そのため徐々に身体を温め、筋肉を十分に動ける状態にすることなく本練習に移ってしまったと振り返っています。
さらに、その日の練習は筋トレも兼ねたWattbikeによる高負荷でのメニューでした。そのため、きちんとウォーミングアップ出来ていない状態、また、筋肉が硬く筋バランスが崩れている状態でガツンと大きな力をかけてしまい、膝に負担がかかったのではないかと思います。実際に、ふくらはぎや大腿四頭筋は特にがちがちで、使うべき筋肉が使えずに関節に大きな力がかかってしまっていたようです。
レースがまだ残っていたため練習を完全休養にすることは難しく、その後、ストレッチや、マッサージ、アイシングを徹底的に行いました。これらの効果はやはり大きく、2日ほどは負荷をかけずにローラーでの練習にしましたが、それからは以前のようにロード練習へ行けるようになりました。私はWattbikeでの練習では、メニューをこなす前にペダリングの確認を行っています。膝の痛みが減ってきた時にペダリングを確認してみると、Polar Viewは痛めた右脚が弱いという私の予想とは反対に左脚が弱く、右脚が強いことを示していました。さらに、私は普段から若干、左脚が弱い傾向がありますが、いつも以上に左が弱くなっていました。ここから、数日前に高負荷でのトレーニングを行った時のことを考えました。左脚の筋出力が弱く、その上、筋肉が硬くて十分に機能しない状態で高負荷でのペダリングを行おうとしたため、左脚の弱さを右脚が補うペダリングとなっていた、右脚に大きすぎる負荷がかかった可能性があるのではないか…。
以前の記事でも自分が思っているペダリングと実際のペダリングは異なることがあると書きましたが、今回もそうでした。自分だけの感覚だとプロに症状を見てもらって事実を認識することになりますが、Wattbikeを使うことで、自分で自分の身体の症状を理解し、改善につなげることが可能になります。これまではWattbikeをトレーニング目的で用いてペダリング改善を図ってきましたが、今回初めてリハビリ目的で使用して、Wattbikeが選手だけでなく幅広い方に利用してもらえる可能性を実感しました。
「なってからでは遅い」とはよく言われ、全くのその通りですが、私はなってしまったからこそ、「ストレッチ」「マッサージ」「アイシング」、今後これらを絶対に怠らないと強く思いました。みなさんも自分の身体のために日々のケアを大切にしてください。
今シーズンラストのレース「ツールド沖縄」にて
合田祐美子 公式ウエブサイト
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