冬の屋外トレーニングは辛い。低い気温、強い風、手足の冷え等々、我慢しないといけないことが多い。
しかし、レースシーズンをベストコンデションで過ごすためには冬のトレーニングはとても大切だ。
身体を上手く動かすためには、筋肉の温度をある程度まで上げる必要がある。冬に身体が動き辛くなるのはそうした理由があるからだ。
気温が低い状態で滑らかに身体を動かすためには、動かし続けるトレーニング、有酸素系のトレーニングが主になるが、そうしたトレーニングだけではコンデションは上がってこない。自身のFTPを超えるような無酸素領域に入るトレーニングも必要になってくる。
FTPを超えるトレーニングでは、その内容によって長短のインターバルが必要になる。
低温のなかでこうしたトレーニングを行う場合、身体が冷えて、トレーニング全体の質が落ちることがあるが、
Wattbikeなら、室内の最適な環境で効率的なトレーニングができる。
自分が指導している選手たちはWattbikeを使って、季節や気温、風雨に影響されることなくメニューをこなしている。
実走に近い、風車を使った抵抗で、ポーラビューで最適なペダリングをモニターしながらトレーニングできるWattbikeは、より細かなデータも提供してくれる。
ブリティシュサイクリングと共同開発したこの機器は、UCIワールドサイクリングセンターとともにトレーニングプログラムを開発し、現在、世界各国でトレーニング評価の指標として利用されている。
Wattbikeで得たデータは、各選手の時系列に応じた目的に対する評価となり、トレーニングプログラムが上手く機能しているかどうか、選手、指導者ともに客観的な指標になる。
自分が指導者としてこのデータを検証するとき一番大切にしていることがある。それは各選手の身体特性を正確に把握して、どのようなトレーニングプログラムが有効か、またどのようなタイミングで実施するかだ。
そのためには年間通して質の高いトレーニングを実施し、多くのデータを得ることが必要だ。
季節に関係なく、安全に安定したトレーニングを行うことで、そうしたデータは蓄積されていく。
また、こうしたデータは多くの競技者、指導者が共有することも可能だ。
Wattbikeを利用するための知識に関係なく、それぞれの選手、指導者が目標とする競技レベル到達までに必要なものが数値となって表れる。
そのデータを同じチームやコミュニーティで共有することできれば、競技レベルの高い選手に追いつくために必要な数値が具体的なものになっていくことだろう。
寒くトレーニングの質が落ちやすい冬こそ、次のシーズンをベストにするために大切な時間だ。
そんなときこそWattbikeをフルに活用して欲しいと思う。
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元競輪選手 菊池仁志の自転車道場
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