前回は心拍数における強度設定についてお話ししましたが、今回は血中乳酸濃度について触れたいと思います。血中乳酸濃度は測定手段などの面から一般への普及はまだまだですが、トレーニングされたアスリートには明確な指標となるとされており、トレーナーなどスポーツ科学の分野で活動されている方にとっては主流の指標となっています。
まず血中乳酸濃度のグラフですが、これは運動強度の増加とともに変化します(図1)。そして2つの地点が主にトレーニングの指標として使われています。一つ目が2mmol/lの地点でLT(乳酸性閾値)と呼ばれています。二つ目が4mmol/lの地点でOBLA(乳酸蓄積開始点)と呼ばれています。LT未満でのトレーニングは低強度トレーニング(会話しながらでも続けられる強度)、LTからOBLAの範囲を閾値トレーニング(持久走程度、TT能力の向上)、OBLA以上が高強度トレーニング(スプリントやインターバルトレーニングなど)とされています。
図1
血中乳酸濃度は心拍数と関係づけることも可能で、前回示したトレーニング強度域では表1のように示されます。そして、そのトレーニング強度域とWattbikeのトレーニングゾーンを血中乳酸濃度で分けると表2のようになり、Wattbikeのトレーニングゾーンがどのような目的で設定されたものなのかが分かります。
表1
表2
血中乳酸濃度は一般の方にはなじみのないものかもしれませんが、これがどのようなものなのかを知っておくことは大切です。知識があれば、多くの文献や資料から自分の使用する、例えば心拍数に落とし込んで考えることも可能です。トレーニングの意味を理解して実践することは、よりトレーニング効果を高め、また、トレーニング管理をしやすくすると私は思っています。専門的な用語をずらずらと書いてしまいましたが、1つの知識として、そして、Wattbikeでのトレーニングの参考に考えてもらえたら嬉しいです。
合田祐美子 公式ウエブサイト
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