合田祐美子コラム スポーツ科学の可能性

2018年11月07日

私は大学生時代、自転車を競技として、トップを目指して取り組んでいたためか、スポーツ科学における興味は、トップアスリートの競技力向上のみでした。大学のコースにも健康スポーツというものがありましたが、全く興味がなかったのが事実です。しかし現在、自分の競技以外のことへも少し目が向けられるようになり、そもそもの人間の身体や健康にも注目するようになりました。そして、トップアスリートは一握りであること、むしろスポーツ科学の需要は、それ以外の人からの方が多いということを今更ながら認識しています。

そして、こういう考え方の変化からか、ありふれた人との出会いも、スポーツ科学をどのように活かしていくべきか、活かしていけるかを考えるきっかけになっていると感じています。ここでは、最近出会った印象に残っている2人を例に挙げたいと思います。

まず1人目は、60代の男性です。彼はスポーツが好きで自らも行っていましたが、数年前に心臓の手術をし、しばらく運動が行えない状態でした。しかし、最近ようやく軽い運動を行う許可がおり、自分で心拍数の管理をしながら運動を始めました。最初は散歩などの簡単なものから、そして次に自転車で外を走ってみたそうです。しかし、屋外での運動は負荷の強弱ができてしまうため、心拍数が上がりすぎてしまう、心拍数を一定に保つことが難しいということでした。そこで活躍したのが室内バイクだったと言います。室内の場合、転倒などのケガのリスクもないし、何より負荷を一定に調節できるため、心拍数の管理が行いやすいということでした。

2人目は90代の女性です。彼女は数年前に旦那さんを亡くし、現在は田舎で一人暮らしをしています。もともと活発的でよく動き、旦那さんがいた頃は2人で室内バイクを乗るほどの元気の良さでした。しかし、1人になってからは乗る機会もなくなっています。それでも歩くことはよく行っていますが、極端に背中が曲がった姿勢によって、内臓付近が圧迫されており、痛みに悩まされています。病院には通っているようですが、スポーツ科学でアプローチできれば、疾患部への対処だけではなく、他の部分の筋力や身体バランスを整えて、身体全体を健康的に若々しくすることができると考えられます。彼女の体力低下は年齢のこともありますが、一つに「一人」という要因も考えられます。そのため、80代以上の高齢者も安心して運動できる、健康になれる共同での活動スペースは理想的であると思いました。人と出会うことでの刺激、スポーツ科学を活かしたトレーニングの組み合わせで、注目される「健康寿命」は伸びると思います。

この2人と出会い、室内での体力向上や健康増進へのアプローチの一つとして、Wattbikeの可能性があること、高齢者に対しても安心して運動できる共同スペースを提供することの有効性を強く感じました。スポーツ科学がアスリートの競技パフォーマンス向上と共に、人々の健康、幸せにますます貢献していけるように私も活動していきたいなと思っています。


合田祐美子 公式ウエブサイト

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