復活 ~ 早稲田ラグビーを支えたオフフィートコンディショニング

2018年12月10日

2018年12月2日、秩父宮ラグビー場。伝統の早明戦が2万2千人という超満員の観客を集めて行われました。試合は早稲田大学が明治大学を下して8年ぶりの関東大学対抗戦グループ優勝を飾り、ターゲットとしていた創部100周年の今年、見事に復活を果たしました。その背景には何かあったのか、2015年から早大ラグビー部のハイパフォーマンス・コーディネーターを務める、村上貴弘氏(Wattbikeマスタートレーナー)に話を伺いました。

- いよいよ全国大学選手権に臨むところですが、対抗戦を振り返ってどのように感じていますか?

「チームとしてフィジカル面での成長が対抗戦優勝の一つの要因であると見ています。今年は “Moving”という言葉をスローガンに掲げています。これは「動き続ける」ということです。試合では個の力が劣る中で数的優位を作って勝負していくということで、そのためには圧倒的な運動量、持久力が必要です。高強度エフォート、高強度ランニングといった高強度運動の繰り返しが求められますが、選手たちはそこをクリアしてきました。」

- それは長期にわたり積み上げてきたことの成果と言えるところでしょうか?

「4年前は個々の力が優勝するチームに比べて圧倒的に劣っていました。そこで、まずは個々人のストレングス強化を重視しました。徐々に進歩が見られましたので今年の春からは走り続けるための持久力強化に取り組みました。夏ごろから成果が見られるようになり練習試合で帝京大学に勝つレベルにまでなりました。」


- トレーニングにワットバイクを積極的に採り入れています。

「ラグビーの試合は走ることとコンタクトの繰り返しです。試合中に動いている時間を38分間とすると、大体19分間はボールゲーム、残りの19分間はブレークダウンとコンタクトです。これは、半分はランニング即ちオンフィート、半分はオフフィートと言い換えることができます。トレーニングも競技特性に合わせて作りますのでオフフィートのコンディショニングが必要です。また、怪我を予防するというリスクマネジメントの観点からもオフフィートコンディショニングは必要です。特に体格の大きい選手には重要です。オフフィートコンディショニングの形として、ワットバイク、ローイングエルゴメーター、ランニングの組合せを標準にしています。また、生理学的基礎を高めるためにオフフィートの数値化、基準化に取り組んできました。(詳細は後述)」


- そういった取組みが対抗戦優勝という結果に繋がったということですが、試合中に成果として確認できたことはありますか?

「定量的に成果確認できていることは複数あります。まずランニングについては、高強度ランニング(毎秒5m以上)の比率、トップスピード。そして1分当たりのスプリント回数が上がりました。また、15人が立っている時間が増えましたし、倒れてから起き上がるまでの時間が短く改善されました。」


それでは、早大ラグビー部が行っている、オフフィートコンディショニングとはどういうものなのか? その一例について特別に開示して頂きました。

「9月~10月の間には、オンフィートとオフフィートを組み合わせた次のようなプログラムを定期的に実施しました。」

プログラム:Run300/Bike750/Row300
① ランニング 300m(50mx3往復)
② バイク 750m
③ ローイング 300m
上記①~③を各3本、合計9本をタイムトライアル形式で実施しました。
レストタイムは指定せず、また、①~③を行う順番も任意とし(同種目を連続で行わない)、各自が戦略を立てながら競いました。
結果は以下の通りでした。


早大ラグビー部は更なる高みを目指して年末、年始にかけて全国大学選手権に挑みます。
早大の初戦は12月22日(土)、秩父宮ラグビー場で準々決勝(慶應義塾大学vs京都産業大学の勝者と対戦)です。


また、2019年1月27日(日)、NSCAカンファレンスにて村上貴弘氏による講演が行われます。早大ラグビー部が実践してきたプログラムを含めてラグビー選手のオフフィートコンディショニングについて詳しい話を聞くことが出来ます。皆様、是非ご来場ください。

日時:2019年1月27日(日)10:00~11:30
場所:日本科学未来館
NSCAジャパン S&Cカンファレンス
「ラグビーにおけるオフフィートコンディショニングの活用例
 ~Wattbike社が提唱するオフフィートコンディショニングのガイドライン~」


https://www.nsca-japan.or.jp/05_seminar/conference...

取材協力、写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部

https://www.wasedarugby.com/