ワットバイク リハビリ活用事例 ~東海大学バスケットボール部~

2019年10月02日

東海大学バスケットボール部 シーガルズは、昨年の全日本大学バスケットボール選手権記念大会では優勝を果たし、U22の日本代表にも5名の選手を輩出している大学バスケットボール界の強豪です。今回はこのチームにS&Cコーチとして関わられている、東海大学講師の小山孟志先生にリハビリの考え方やワットバイクをリハビリでどのように活用しているのか、話を伺いました。



そもそもワットバイクをリハビリに取り入れる考えに至ったのは、リハビリの基準となるマニュアル作りにありました。これまでリハビリというと、患部へのアプローチを行い、そこが治ってから持久的なトレーニングへ移っていた。しかし、それではゲーム体力が極端に落ちてしまい復帰に時間がかかってしまうという問題点があった。この問題点を克服するためにはベースとなる全身持久力が重要であり、時間をかけて心肺機能に働きかける必要があります。

また、バスケットボール選手の傷害で最も多いのは足関節捻挫であり、多くの選手が在学中に一度は経験するほどです。足関節捻挫のように走ることができないリハビリ早期においても免荷した状態で全身持久力を向上させるトレーニングが開始できるので、バイクはリハビリの有力なツールとして常に検討対象にありました。

その中でもワットバイクを採用したポイントは複数ありますが、バスケットボール特有のものとして、高身長、高体重者の利用に適している、というものがありました。さらに作りも頑丈で壊れにくい。また、外部電源を必要としない、持ち運びしやすいという利便性も高評価となるポイントです。それにより、リハビリ中の選手がコートサイドで練習を見ながら、より効率的にリハビリトレーニングを行えるというメリットがあります。

こういったことから心肺機能を鍛えるためのソリューションとしてワットバイクを採用しました。


リハビリ中の持久力の重要性に基づき作られたリハビリのマニュアルは下記のように作られ、トレーナーや指導者、選手、時としてドクターも共有しています。

http://www.wattcycling.jp/pdf/20191001.pdf

またリハビリ経過の指標としては、①ワットバイクでの3分エアロビックテストや6秒テスト、②2.25往復インターバル、③10m往復走(3分で何回タッチできるか)を行い各段階においてケガをする前の体力レベルと比較し評価しています。

3、4年前からこのようなマニュアルに沿ったリハビリが行われていますが、効果としては、早い時期から心肺系のトレーニングを入れてベース体力を鍛えることでケガをする以前よりも良い状態で復帰できている、復帰してからまたケガをするといったぶり返しもなくなったようです。リハビリというとケガをする前の状態へ戻すことが第一に考えられますが、このようにケガをする前よりもレベルアップできるところは今回の取り組みの大きな成果ということができます。ただケガと向き合うだけではなく、ケガと向き合いつつも競技復帰、さらにはパフォーマンス向上に目が向けられたリハビリのマニュアルは選手の目標を失わせないことにも貢献しているように感じました。



シーガルズの昨今の成功は、このマニュアルに沿ったリハビリが正しく機能していることを示唆するものです。また、ケガをしてバイクトレーニングを行った選手の中には復帰後にも同様のトレーニングを継続したいと言ってくる選手もいるようです。このように選手が効果を実感している、そして好感触を持って自ら積極的に取り組んでいることが何よりもこのシステムの成果ではないでしょうか。

東海大学バスケットボール部の今後ますますの進化、活躍が楽しみです。



取材協力:東海大学バスケットボール部、東海大学スポーツ課

写真提供:東海大学バスケットボール部