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スノーボードアルペン、三木つばき選手の事例に見るジュニア期からの選手育成メソッド   ~岡田千詠子S&Cコーチ、10年間の取り組み~

2022年09月26日 更新

スノーボードアルペンの三木つばき選手(キャタラー所属、日体大1年)は昨季、高校生で北京五輪に出場9位、ワールドカップ優勝、世界ジュニア選手権優勝という結果を残しました。

彼女が子供のころから10年間にわたりフィジカル面の指導をしてきた、岡田千詠子S&Cコーチにその成功メソッドについて話して頂きました。



― 三木つばき選手へのトレーニング指導歴について

三木つばき選手が小学校4年生の夏からトレーニング指導をしています。彼女がトレーニングを始めた頃、競技の実力は既に国内のトップレベルにありました。先を見越したときにこの時期からトレーニングを始めたほうがよいという母親からの要請をお引き受けする形で始めましたが、本人は当時から世界一になるという目標を持っていました。

― 年齢ごとの取組み、目標設定などについて

小学生のときはエクササイズのフォームを定着させることを目的としました。

トレーニングは週に3回、1回あたり30分程度行いました。その頃は柔道もしていましたし、勉強の時間も十分に確保しました。

ただ、筋トレは小学生にとってはつまらなく苦痛なものですので、妹とペアでのトレーニングやボールを使うなど楽しさを加える工夫をしました。ランドセルに教科書を詰めて重り代わりにした、小学生ならではのスクワットやデッドリフトも行いました。

この時期はトレーニングを習慣化させることを第一義に、本人と一緒に1週間や1日のスケジュールを確認して、どこでどれだけトレーニングをするかを話し合い、そのなかで実施可能なものを効率的にトレーニングプログラムしていきました。

中学生になると成長スパートが少しずつ落ち着いてきましたので、ウエイトトレーニングを導入することにしました。小学生の時に定着させたエクササイズフォームで少しずつ重りを持つようにしていきました。トレーニング頻度はやはり週に3回としてウエイトの種目はベンチプレス、スクワット、デッドリフトなど、またプライオメトリクス(ジャンプ)、アジリティ、ロードバイク、ランニングも加えていきました。

トレーニングジムで行うこともありましたが、自宅にもダンベル、バーベルを入れてコツコツとトレーニングを積み重ねました。

高校生になってからは本格的なウエイトトレーニングを実施しました。上半身は女子特有の弱さが課題としてありましたが、下半身はデッドリフトで80kgは持てるようになっていました。今では100kg以上を持っています。

― トレーニングで注力したポイント

筋トレの狙いは最大筋力とパワーです。小学生のときは柔軟性も重視して一緒にストレッチをする時間を取っていました。また、彼女の姿勢の特徴や競技特性を踏まえて、臀部やハムストリングスを使えるようなエクササイズを多く行ってきました。

― 三木つばき選手の適応力について

小中高と見てきてフィジカル的な伸びは加速度的に上がり、更に今が一番伸びています。

ジュニア期から筋力トレーニングをするとホルモンの応答がよくなることが分かっていて、今はその効果がでていると感じています。

― 現在までの成長についての評価

正直、期待以上です。彼女の素晴らしいところはコツコツと継続的な積み重ねができるところです。元々、スキル能力は高いもののフィジカル能力が高い選手ではなく、現在そこが飛躍的に伸びているのは本人の努力の成果だと見ています。また、メンタル的な成長も要因の一つでしょう。彼女は課題を与えられると、それを修正して継続して身につける力が高い。当初からそうだったわけではなく、世界と戦ううちにそのようになってきたように思います。勝ちたいという思いが強いことも一因でしょう。



― ワットバイクトレーニングの目的

中学生のときにワットバイクをトレーニングに採り入れました。小学校6年生のときに膝の成長痛からランニング量の調整が必要な時期がありました。ちょうどその頃に私がNSCAのカンファレンスでワットバイクを用いたオフフィートトレーニングの考え方を知りました。同時期に大木さん(Wattbike Japan)とも何度か話し合いの機会を持ち実際にワットバイクにも触れて、これは彼女に必要だと思いました。

オフフィートトレーニングという面では元々、ロードバイクでトレーニングをしていましたが、ワットバイクの方が断然、安全性が高いことを評価しました。さらに、彼女は個人競技者で日々のトレーニングを一人で行っていますが、その中でモチベーションを上げていくには数値が一番です。その観点からもワットバイクは彼女のトレーニングに適合しています。

― ジュニア選手の才能を引き出して能力を伸ばすために大切にしていること

発育発達の時期を見極めることです。私の場合は身長の成長率をグラフ化してコンディショニングトレーニング(主に筋トレを中心として)の進行の方針を決めていました。長期的な視野を持って焦らずに次のフェーズの準備をするという育成方法を取っていました。中学でこれをするには小学生のときはここまで、というやり方です。即ち中学生が行うレベルのことを小学生のときにはやらせないということです。

ジュニア期は勝利至上主義にならないことが大事です。トレーニング量を抑えて質を上げるように気を付けていました。10回できるものを8回行う、しかし全力でという感じです。

選手が「ちょっと足りない?」と感じるところで十分です。

幸いにも母親の考え方も同じでしたが、よくコミュニケーションをとって、何よりも怪我をさせない、月経をとめない、といった健康第一主義を徹底しました。

小中高とそれぞれの時期に、理解できる範囲で栄養やフィジカルについての座学も行っていました。知識をつけることで、理屈の裏付けをもってトレーニングに臨めて結果的に質の高いトレーニングにつながると思っています。私と離れていることが多いので自分で判断できる力をつけてもらいたいとも思っていました。今では日体大の学生となり、勉強をとても楽しんでいるようです。

― 三木つばき選手の今後について

年々、三木つばきを支える専門家が増えてきました。この「チームつばき」の土台が強くなっていくとよいと思っています。ワットバイクについても数値がすごく伸びていると聞いて驚いています。今年、日体大に入学して東京に住居を持ったように今後、拠点は変わっていくでしょうし、一人で海外長期合宿に行くことも出てきます。知識を深めてトレーニング医科学を正しく理解して必要な時に正しい判断ができるようになって欲しいと思っています。最近はこちらのトレーニングプログラムの意図を読めるようになってきて、いつの日か独り立ちできるのではと思っています。

私が指導を始めたときには、145cm、30kg だった少女が今や173cm、68kgのアスリートに成長しました。本人の努力の賜物です。まだまだ伸びしろのある選手です。フィジカル的にはこれからも下肢の筋・パワーを更に高め、それに見合った体幹と上肢の筋力を獲得させ、体重を70kgまで増やしたい、と考えています。



― 以下、三木 つばき選手コメント

「岡田先生には小学4年生の頃から見ていただき、これまでずっとトレーニングや体の面でお世話になってきました。当時は、自分が幼いこともあり、なぜそのトレーニングを行なっているのかを理解しないまま、いただいたメニューをひたすら頑張っていましたが、自分でも勉強していく中で、年齢にあった、すごく効率のいいトレーニングを提供してくださっていたことがわかりました。岡田先生に見ていただけて本当に良かったと思っています!」


岡田千詠子氏のプロフィールはこちら ↓

https://www.wattcycling.jp/pdf/20220926.pdf

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