早稲田ラグビー 名門復活へ -活用事例―

2017年05月31日

名門復活へ着々と進化する早稲田大学ラグビー部。S&Cを統括するのは村上貴弘氏です。ラグビー日本代表でS&Cコーチを務めていた村上氏が早稲田大学のハイパフォーマンス・コーディネーターに就任したのは2016年。以降、早稲田のフィジカルは確実に上がってきました。ジャパン時代からワットバイクを使ったトレーニングに精通している、村上氏に早稲田での活用状況、効果などにつきお話を伺いました。

- - 早稲田がワットバイクを導入して3年目になりました。今はどのような使い方をされていますか?

現在のところでは、大きく分けて3つですね。高強度トレーニングの中でのオフフィート・トレーニング、リカバリー、そしてアスレティック・リハビリテーションといったところです。

- - 最初に挙げられた、オフ フイートというのはどういうことでしょうか?

「オフ フイート」というのは簡単に言うと「走らない」ということです。選手のランニング走行距離や高強度ランニングの量が多くなってくるとランニングを切り上げてワットバイクに乗せることがあります。目的は障害予防です。一般的にラグビー選手は膝、ハムストリングスを痛めることが多くその対策です。

- - トレーニング中にランニングからワットバイクでのサイクリングに切り替えることがあるということですか?

その通りです。早稲田では毎週水曜日に一番強度の高い「ランニングフィットネス」というトレーニングを行っています。3分間のスプリント(5秒オン/オフのリピート)、3分間のボールスキルを連続して、これを3セット継続するトレーニングです。ゲームよりもきつい状態を作っていますが、この中で選手によっては途中からランニングをワットバイクに切り替えます。

- - 選手によって個別対応をしているということですね。ワットバイクへの切り替えについて対象選手やタイミングはどのように決めているのでしょうか?

選手はトレーニング中、GPSを装着しています。これによって選手ごとに秒速5Mを超える高強度ランニングの走行距離を管理しています。1週間の走行距離について共通のガイドラインを作っています。それに加えて各選手の主観も常にモニタリングしていますので選手ごとに最適なタイミングを判断することができます。水曜日の高強度セッションでのワットバイクメニューは800メートルを1分間で漕ぐものです。体へのインパクトを減らしながら持久力向上ができます。ただ選手たちには相当負荷が高いようで「走ったほうがましだ」と嘆いています(笑)。

- - ラグビーのトレーニングでは昔から「オフフィート」という概念があったのでしょうか?

オフ フィートトレーニングが定着したのは比較的最近のことですね。以前はランニング主体でした。試合期かそうでないかで距離は違いますが、中長距離ランニングがトレーニングのなかで多く取り入れられていました。その頃は着地衝撃による障害が多く見られましたし、慢性的な疲労や体重減少といった問題がありました。

- - リカバリーやアスレティック・リハビリテーション目的での使い方を教えてください

リカバリーではワットバイクはサーキットの中で7分間、組み込まれています。アスレティック・リハビリテーションは故障者が対象ですが、選手ごとに事前に測定したMMP(3分間平均ワット値)を基にそのときの適切なゾーンで行っています。このゾーントレーニングによる適切な強度管理の効果で確かなフィットネス向上が見られています。

- - 具体的なワークアウト内容まで教えて頂き有難うございました。全般的にはワットバイクの導入効果を感じているということですね?

目に見える効果としては怪我人の減少があります。ラグビー選手に起こりがちなハムストリングス肉離れの予防効果が出ていると思います。先ほど話しましたが以前の中長距離ランニングと比べると今行っている高強度、短時間のトレーニングは他チームに比してサイズが小さい早稲田の選手にとって筋肉を削らずに持久力を上げることができて特に適していると考えます。

- - 村上さんが就任して3年目に入りましたが選手の体力面での変化はどうでしょうか?

大学チームの場合、毎年メンバーが一部入れ替わるので評価が難しいところもありますが全体的にフィジカルは上がっています。除脂肪体重は増加してきました。ベンチプレスは体重比1.38倍(3年前は1.2倍)、懸垂は1.34倍(同1.2倍)、スクワットは1.78倍(同1.6倍)とウエイトの数値も確実に理想標準値に近づいています。

- - 早稲田復活を待望するファンや関係者は多いことと思います。益々のご活躍を期待しています。本日は有難うございました。

取材協力、写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部

http://www.wasedarugby.com/


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