早稲田大学ラグビーのオフフィートフィットネス

2017年10月01日

エリートスポーツでは多くのコーチ、選手が生理的パラメーターを向上させるためにランニングを取り入れています。しかしランニングはパフォーマンスの停滞を誘発する、または障害リスクを高める可能性があります。ランニング動作に伴う着地衝撃が主な要因です。そのため、ランニングを体重負荷が大きく軽減されるオフフィートトレーニングで代替する考え方が広まってきました。ワットバイクはまさにその有力なソリューションの一つとして評価されています。

オフフィートの効用として例えばラグビーではオンフィート活動をスキル練習のために取っておくことができます。それによって実戦対応のスキル練習量を増やすことができます。また、オフフィートはランニングに比べて衝撃ダメージが少ないのでリカバリー時間は圧倒的に短くなり、結果としてピッチでの実戦スキル練習をより多く行えるようにもなります。

早稲田大学ラグビー部はワットバイクを使ったオフフィートフィットネスに積極的に取り組んでいます。

プレシーズン期にはUCI (世界自転車連盟)で標準化されているテストプロトコル、UCI-WCC テストを定期的に行いました。これはテスト、コンディションチェックに加えてトレーニングとしても有用です。

【UCI-WCC Power Profile Test プロトコル】

6秒 オン

(234秒 リカバリー)

6秒 オン

(234秒 リカバリー)

30秒 オン

(330秒 リカバリー)

4分 オン

大学ラグビーはシーズンに入りました。今年の早稲田は試合のない週は積極的にフィジカル強化を狙っていくなかで、ラグビートレーニングのランニングに加えて一般的なオンフィートフィットネスのセッションを2回実施していますが、試合のある週はオフフィートのみ実施しています。週の半ばの水曜日に一部メンバーがUCI-WCCなど高強度のオフフィートセッションを行い、試合前日の金曜日または土曜日はメンバー全員が6秒パワーセッション(6秒 × 7セット)を行っています。

試合前日に6秒パワーを行う主目的はレッグスピードを高めることです。既に数試合を経て好感触を得ています。また、これをルーティン化することによってコンディションをモニターしていくこともできます。

早稲田のオフフィートフィットネス取組について、早大ラグビー部、村上貴弘 ハイパフォーマンス・コーディネーター にお聞きしました。

- オフフィートを導入した理由、狙いはどのようなところにありますか?

ラグビーの競技特性と障害リスクを考慮すると、直線的なランニングフィットネスよりも技術、戦術に紐づいたゲーム形式のトレーニングにおける高強度ランニング耐性を向上させることが理想です。その中で維持すべき有酸素、無酸素、LSSP(*1)など生理学的パラメーターを確実に担保することがオフフィートフィットネスの目的です。

- ここまでの成果をどのように評価されていますか?

試合でのフィットネス要素の成果は、戦術、判断、コンタクトなど多くの要素が絡むので単独的に判断できませんが、生理学的パラメーターのベースライン作り、定点観測できる点では非常に良い手ごたえを感じています。基本的な有酸素、無酸素キャパシティとLSSPは確実に向上してきています。

- 選手たちはオフフィートにどのような感想を持っていますか?

個別目標値と基準値という点で数値化されるので、取り組みやすいため意欲的に取り組んでいます。逆に数値化されることで逃げ場がないため通常のオンフィートよりもキツイと感じるようで楽しんでいます。

(*1) LSSP = Leg Speed Sprint Power

写真提供、記事協力:早稲田大学ラグビー蹴球部

http://www.wasedarugby.com/


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