合田祐美子コラム 好きなことに限界はないと思う

2018年08月13日

練習で分かる自分の実力があったとして、それによる周りの評価やこれくらいの結果になるだろうという予想があって、それらによって自分でも知らず知らずのうちに自分はこんなものだろうと決めつけてしまう。「限界」とはこうやって生まれてくると思います。
私の場合、自転車ロードレースを本格的に始めた大学1年生から3年生の結果が出るまでの間は、ただがむしゃらに「強くなりたい」「速くなりたい」という思いで練習に明け暮れていました。完走がやっとの状態からのスタートで、周囲からの期待はほとんどありませんでした。それでも応援してくれる人はいるし、年々順位が上がってくる喜びや、いつか自分も表彰台のてっぺんに立ちたいという強い思いがあったため、結果が出ないからといって止めたいと思ったことはありませんでした。むしろ自分より強い選手と競い合えること、そこでどれだけ力を出し切れるか、練習で出せないものを本番で出せるか、私の心は挑戦とワクワクで満たされていたように思います。
そして3年生の時、誰もが予想もしていなかったことが起きました。全国大会で絶対に優勝すると言われていた選手を負かして私が優勝したのです。この経験は私にとって忘れられない宝物です。その頃の私には、ただ前を向いて走り切ることしか頭になく、この人は強いからとか、自分はまだまだ弱いから、という考えはほとんどなかったように思います。だから、ゴール直前の最後の最後まで諦めなかったし、勝負は何が起こるか分からないし、勝負の世界に絶対はないことを体験し、証明できたように思います。この頃の私の頭に「他人」の存在はなく、それによって生まれる自分の限界もほとんどありませんでした。
それが、このレースの後から、気づいたら他人から影響を受けるようになっていました。周囲からの接し方や評価はがらりと変わり、次も優勝かなとか、色々な期待の言葉をかけてくれるようになりました。嬉しいことでもありながら、純粋に強くなりたい、速くなりたいという気持ちでやっていた自転車競技に、期待に応えたい、勝たないといけないという思いが加わりました。不安やプレッシャーを感じ、周囲に左右されている自分、競技以外のことに心がある自分がいたように思います。振り返ると、そんなに気にするようなことではないのにと思えますが、私は割と色々と抱え込んでしまう性格であったため、色々と葛藤がありました。そのため、他人の存在で生まれる様々な雑念を取っ払い、何連勝もするアスリート、オリンピックに連続出場するアスリートは本当にすごいと思います。こういう選手たちは人に左右されることのない確固たる自分の思いがあり、それにより自分に「限界」をつくらないため、どんどん強くなっていく、世界で戦えるのだと思います。
~したらどうしよう、相手の調子はどうだろうなど、こういったことは考えれば考えるほど出てきますが、考えたところで「限界」が生まれるだけです。周りは周り、自分がどうしたいのか、どうなりたいのかを主体にレースに臨めば、恐怖なんてないし、思いっきり走り切れるから後悔も残らない。私はここまで到達するのにだいぶ時間がかかりましたが、ここまで続けてこれたのは「好き」「やりたい」という思いがあったからであると感じています。続ける上で大切なこと、向上するために必要なことは「好きであること」だと思っています。「好きこそものの上手なれ」というように、好きな気持ちに勝るものはないし、好きだから頑張れるし、耐えられると思います。好きな世界に「限界」も生まれないと思います。
人それぞれスポーツを取り組む目的は異なると思いますが、「好き」な気持ちを大切に、自分主体で行ってほしいなと思います。他人はどうしても気になる存在です。しかし、それが自分の力の限界になっては台無しです。どうしてやろうと思ったのか、どうなりたかったのか、原点を振り返るとワクワクするような夢や目標しかないのではないでしょうか。皆さんがレースで良い成績が出たり、体力が向上したり、健康になったり、理想の体型に近づいたりされることを願っています。

合田祐美子 公式ウエブサイト

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